スモールマウスバス道

川スモールマウスバスを中心に攻略方法、釣果情報等を中心に更新中です

【62話】This is bass fishing!!

唐突ですが…

皆さんはどんなバサー(バス釣人)を『格好いい』って思いますか?

例えば…
GPS魚探など最新装備に最先端のタックルを駆使ししながらバスボートで湖上を疾走するバサー?

はたまた…オリジナルのサングラスにキャップ被って陸っぱりで颯爽と歩き回り、そしてデカバスを仕留めて『make!』とか言っちゃう様なバサー??(笑)


一人一人がそれぞれに思い浮かべる『格好いい』バサーの姿は沢山あると思います。


今回はそんな『格好いい』バサーについて書きたいと思います。


私がメインで通う河川のとあるポイントで、たま~に会う1人のおじさんバサーが居ます。

そのお方の年齢はおよそ50~60歳位。

真っ黒に日焼けしたその方は、恐らく仕事終わりなのでしょうか…
いつも夕方5時過ぎに汚れた作業着姿のまんま、キャップもサングラスも身に付ける事なく軽トラに乗って現れます。

一見した感じはバサーと言うよりもヘラ師の雰囲気です。
有名人で例えれば…タレントで漫画家の蛭子能収さんみたいな感じ…

持ち物はいつも同じ。
年代物の太目のスピニングタックル1本とスーパーの白いナイロン袋だけ。

その白いナイロン袋の中にはフックが錆びた年代物の派手な“でっかいルアー”が3.4個入ってます。
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そのお方にはバサー特有のファッション性やタックルへのこだわりなんかは微塵もないことが一目でわかります。


そして、いつもの場所に立つとおもむろに“でっかいルアー”を対岸へフルキャストします。

『バッッシャ~~ン!!』

着水と同時にデッカイ着水音が周辺に響き渡ります。

そしてそのまま川の流心へと巻きます。

これぞ『ただ巻き』です。
『ジャーク?』『トゥイッチ??』そんな小細工なんて一切なし。
何の変化も一切なし。ひたすら『ただ巻くのみ!』

そしてルアーを巻き上げると、また豪快なフルキャスト!!

そして、また『バッシャ~~ン!!』


これを約1時間ほど繰り返します。

そして満足すると…

『今日も釣れね~なぁ~』…『ガハハハハハハァ~』って…笑いながら帰って行きます。


この方はこのスタイルのバス釣りをこの場所でもう20年も続けているそうです。
口癖は『昔はバカバカ釣れたんだけどなぁ~』です。




皆さんもご存知の通り、バスフィッシングはアメリカ発祥の文化です。

数十年前に日本にその文化が上陸して以来、日本の狭い国土の狭いフィールドに適応する形で、日本のバス釣り文化は独自の進化を続けて来ました。

やはり、現在の日本のフィールドでバスを確実に手にしようと考えた場合、スピニングタックルで細いラインに小さなワームのフィネスな釣りは必要不可欠です。
そしてその繊細なタックルは見事なまでに日々進化をしてます。

2004年の事になりますが、本場のアメリカのプロトーナメントFLWツアーにて日本人アングラーの深江真一さんが日本独自の繊細なフィネスの釣りを駆使して、年間チャンピオン『アングラーオブザイヤー』を獲得しました。

そして見事「ケロッグ」コーンフレークの表紙も飾りました(笑)
(当時のアメリカメディアの反応としてフィネスの釣りには賛否両論あったようですが…)


今現在でも日本独自の繊細なフィネスの釣りは本場アメリカのバスフィッシング界に多大な影響を与えており、それはとても素晴らしく誇らしい事であると思いますが…


でも…『繊細な釣り=せこい釣り』なんて見方も出来ます。

本場アメリカ・フロリダの広大なフィールドで今日も仕事終わりの夕方の1時間だけbassfishingを楽しむベテランアングラーの方々が日本のフィネスな釣りを見たら…

『おい!おい!なんだその“せこい”釣りは!!』

『そんな釣りは…bassfishingじゃねーよ』

って言われちゃうんでしょうかね??


私が出会う、蛭子能収さん似のバサーっぽくないおじさん。

日本のフィールドに居ながら、日本の繊細なバス釣りには目もくれず、アメリカの広大なフィールドを相手にしているかの様な豪快な釣りをするお方。

“デッカイルアーをヨレヨレのぶっといラインにくっ付けて、思いっきりぶん投げて、ただリールを巻く”

『This is bassfishing』

そして『今日も釣れねー』って言って帰るおじさんの後ろ姿を見ていると、憧れのアメリカのバスフィッシングの原点を見ているような気がして…
自分にはそのおじさんがとても格好よく見えて仕方ありません。